じゃがいもの品種「とうや」の特徴を徹底解説!他の芋との違いや適した料理も紹介

ポテトサラダやポテトフライ、コロッケ、肉じゃがなどさまざまな料理に用いられるじゃがいもですが、さまざまな品種があることをご存知でしょうか。
今回は、じゃがいもの品種のひとつである「とうや」を紹介します。形や味の特徴、メークイン・男爵芋との違いなども比較しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事でわかること
- とうやは比較的新しく誕生した品種
- 旬は8月中旬から1月頃まで
- 生産量はそう多くないため道外では入手が難しいこともある
- しっとり系の質感で崩れにくく、煮物や炒め物に向いている
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とうやってどんなじゃがいも?

とうやは平成の時代に登録された比較的新しい品種のじゃがいもです。1981年に大きく育ち、害虫に強いじゃがいもの品種改良を目的に研究が始まり、1992年(平成4年)に「ばれいしょ農林31号」として品種登録されました。
最初に、とうやがどのような特徴をもつじゃがいもなのか紹介していきます。
形の特徴
じゃがいもには、比較的ばれいしょのような球型のタイプと、メークインのような長球形のタイプに分かれます。とうやは球型です。
同じ球型のじゃがいもとして有名なものに男爵芋があります。しかし、芽の部分の窪みが男爵芋よりも浅く、へこみの数が少ないため、見分けることができるでしょう。
果肉は鮮やかな黄色をしていて、男爵芋やメークインなどの一般的に広く流通しているじゃがいもに比べると濃い色合いに見えます。
味の特徴
とうやは、でんぷん質が少ないため粉っぽさがあまりなく、しっとりした食感が特徴です。煮崩れしにくく、滑らかな芋の美味しさを味わえるでしょう。
とうやの糖度は3前後のものが多く、一般的なじゃがいもの甘さを感じられます。潰した時に粘質が出やすいため、マッシュポテトなどにした場合より甘みや風味を感じやすいじゃがいもです。
栄養の特徴
じゃがいもにはビタミンCが豊富に含まれており、とうやは比較的含有量の多い品種です。男爵芋よりも多くのビタミンCが含まれているのが特徴です。
また、でんぷん質が少ないため、他のじゃがいもと比較した際にカロリーが少な目な点もとうやの特徴と言えます。
名前の由来
とうやの名前は日本ジオパークおよび世界ジオパークに指定されている洞爺湖がルーツと言われています。
とうやは洞爺湖のある北海道南西部が主産地となることを期待して品種改良されました。そのため、南西部の有名なスポットである洞爺湖にちなんだ名前が付けられたと言われています。
また、見た目が男爵芋によく似ていることから「黄爵(こうしゃく)」と呼ばれることもあります。
とうやはどんな料理に適しているじゃがいもなの?

とうやは滑らかな食感と崩れにくさが特徴的なので、煮込み料理に向いているじゃがいもです。カレーや肉じゃが、シチューなどにするとより美味しく味わえます。
また、加熱してもしっかりと食感が残るため、千切りにして炒め物にするのもよいでしょう。マッシュポテトにした時には、比較的滑らかな口当たりになります。
一方、じゃがいものホクホクさを活かした料理には向かないため、ポテトフライや粉吹き芋などには不向きです。
メークインや男爵とはどう違う?他のじゃがいもととうやを比較

とうやがどのようなじゃがいもなのか分かってきたところで、流通量の特に多いメークインや男爵芋と比較してみましょう。
とうや | メークイン | 男爵芋 | |
---|---|---|---|
食感 | しっとり | しっとり | ほくほく |
煮崩れ | 崩れにくい | 崩れにくい | 崩れやすい |
果肉の色 | 黄色 | 薄い黄色 | 白っぽい |
形 | 滑らかな丸型 | 滑らかな長丸型 | ゴツゴツした丸型 |
向いている料理 | カレー、シチュー、肉じゃが、炒め物 | カレー、シチュー、肉じゃが | マッシュポテト、コロッケ、粉吹き芋 |
見た目は男爵芋に似ているものの、食べた時の食感などはメークインに近い味わいであることが分かります。1つ1つが比較的大きめで食べ応えがあり、窪みも浅いので皮が向きやすく扱いやすいのもとうやの特徴です。
とうやの旬の時期

とうやの旬の時期は8月中旬から1月下旬頃までといわれています。夏の間にたっぷりと日光を浴びたとうやは大きく、優しい味わいを感じる美味しいじゃがいもに育ち、秋に収穫されます。
収穫期間が長いため、流通している期間はさらに長く、旬の時期には北海道南西部のスーパーなどで手軽に入手できます。一方で、生産量はそれほど多くないため、道外のスーパーなどで見かけることは珍しいでしょう。
美味しいとうやの選び方

とうやを選ぶ時には以下の特徴を持つものを選ぶのがおすすめです。
- ずっしりと重量感がある
- 表面が滑らかでふっくらしている
- 複数個入っている場合は大きさの揃っているもの
皮に黄緑色が混じっているものや芽の出てしまっているもの、皮に皺が寄っているものは保存方法などが悪く、鮮度が落ちてしまっている可能性が高いです。
とうやの保存方法

とうやの味わいや風味を損なわないためには、適切な環境で保存することが大切です。
なるべく冷暗所で光を当てないように保存しましょう。じゃがいもは日光だけでなく、蛍光灯の光などでも発芽してしまうため、光をしっかりと除けることが大切です。
また、湿度が高いとすぐに傷んでしまうため、風通しのよい場所に保管しましょう。
保存する時には、段ボールや紙袋、麻袋などに入れておくと湿度が上がりにくいのでおすすめです。
とうやを使ったおすすめじゃがいもレシピ

最後にとうやを使ったおすすめのじゃがいもレシピを紹介します。とうやを上手に調理して美味しく味わってみてください。
とうやのシャキシャキ炒め
崩れにくく加熱するとシャキシャキした食感を楽しめるとうやは、炒め物にして食べるのがおすすめです。
材料
とうやのシャキシャキ炒めの材料は以下のとおりです。
- とうや
- ベーコン
- サラダ油
- にんにく
- 料理酒
- 醤油
具材はベーコン以外にも、ピーマン、エリンギなどお好みのものを入れても美味しく食べられます。全ての具材を千切りにするため、千切りにしやすい食材を選ぶのがおすすめです。
作り方
とうやのシャキシャキ炒めの作り方は以下のとおりです。
- とうやの皮を向いて千切りにし、水にさらす
- ベーコンをできるだけ細切りにする
- 熱したサラダ油にみじん切りにしたにんにくを加えて香りがでるまで炒める
- よく水を切ったとうやとベーコンを炒める
- 料理酒と醤油を加えて味を整えて完成
食事の際の一品やお酒のツマミ、お弁当の具材にもぴったりです。
とうやの滑らか芋もち
滑らかな食感を活かしたとうやの芋もちは、子供のオヤツにもおすすめです。レンジとフライパンで手軽に作ることができます。
材料
とうやの滑らか芋もちの材料は以下のとおりです。
- とうや
- 片栗粉
- 醤油
- みりん
お好みで焼き海苔を巻いて食べても美味しく食べられます。
作り方
とうやの滑らか芋もちの作り方は以下のとおりです。
- とうやの皮を向いて4等分程にカットし、耐熱皿に入れ水を少量加える
- ラップをして600w8分加熱する
- 皮を向いてとうやを潰す
- 潰したとうやに片栗粉を混ぜ、固まってきたものを丸める
- フライパンで焦げ目がつくまで両面を焼く
- 醤油とみりんを合わせた調味料を表面に塗り軽く焼いて完成
とうやは大きめのじゃがいもなので、電子レンジで加熱する際には適当にカットしておきましょう。加熱後はお箸などを使って綺麗に皮が剥けます。
とうやの煮物
とうやの美味しさをシンプルに味わいたいのなら、優しい味わいの煮物にするのがおすすめです。
材料
とうやの煮物の材料は以下のとおりです。
- とうや
- 出汁
- 醤油
- 酒
- みりん
- 砂糖
出汁は昆布出汁やかつお出汁など、どのようなものでも大丈夫です。
作り方
とうやの煮物の作り方は以下のとおりです。
- とうやの皮を剥いて一口大にカットする
- 鍋にだし汁ととうやを入れて火にかける
- 沸騰してきたらみりん、砂糖、酒を加えて5分ほど煮る
- 醤油を加えてさらに5分ほど煮る
- とうやが中心まで柔らかくなったら火を止めて冷めたら完成
とうやの煮物は一度冷ますことで味が沁み込みます。食べる前に再加熱して味わってくださいね。
まとめ
じゃがいものなかでも、大きく煮崩れしにくいとうやは、しっとり系のじゃがいもが好きな人におすすめの品種です。
普段何気なく食べているメークインや男爵芋などと食べ比べてみると、味わいや風味が違う事に気づき「同じじゃがいもでもこんなに違うんだ」とちょっとした感動を味わえること間違いなしです。
ぜひ一度、美味しいとうやを味わってみてくださいね。