お茶の種類はたくさんある!それぞれの特徴や加工方法別に一覧で紹介
食事や休憩、水分補給の際にお茶を飲む人は多いでしょう。緑茶や烏龍茶、紅茶などさまざまな種類のお茶がありますが、どのように作られているのか考えた事はありますか?
実は、お茶は種類は多くありますが、ほとんどが同じ種類の茶葉から作られています。
この記事では、お茶の種類を詳しく紹介します。合わせて、加工方法によって異なるお茶の種類を一覧で紹介したり、世界で飲まれている珍しいお茶・お茶の効能なども紹介したりしているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
- 緑茶、烏龍茶、紅茶は全て茶樹(ちゃのき)の茶葉から作られている
- 発酵の有無や程度、その後の加工方法などによってさまざまなお茶の種類に分けられる
- お茶には殺菌作用、覚醒作用、リラックス作用、抗酸化作用が期待できる
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お茶は種類が違っても茶葉は同じ
お茶と聞くと緑茶や紅茶、烏龍茶などをイメージする人が多いでしょう。実は、これらのお茶は全て同じ茶葉からできていることをご存知でしょうか。
さらに、緑茶のなかでも煎茶や玉露、抹茶、紅茶のなかでもアッサムやダージリンなど種類がありますが、これらのお茶も原料となる茶葉は同じ種類のものを使って作られています。
緑茶や紅茶、烏龍茶は、茶樹(ちゃのき)と呼ばれるツバキ科の常緑樹の葉や茎などを原料として作られます。茶樹の産地、摘み取る時期、栽培方法、製造方法などにより、さまざまなお茶として種類が分けられるのです。
お茶の種類一覧表
茶樹から採れる茶葉を使った主なお茶には以下の種類があります。
茶葉は、加工方法や摘み取りの時期、産地によってさまざまな味わいに変わります。そのため、世界各国で独自の文化を発展させながら種類を増やしてきました。
日本で古くから飲まれているのは緑茶ですが、実は中国も緑茶を飲む文化が栄えており、烏龍茶などの半発酵茶よりも不発酵の緑茶が広く飲まれています。
お茶の文化は非常に奥深く、世界各国で独自の進化を遂げてきました。
緑茶の種類
緑茶は、茶葉を発酵させずに作るお茶です。蒸す、揉む、炒るなどの製法で加工され、さまざまな種類に分けられます。発酵していないため、鮮やかな緑色になるのが特徴で、日本では特に馴染み深いお茶と言えるでしょう。
煎茶
茶葉の新芽を蒸し、揉みながら乾燥させて作ったお茶を煎茶と言います。
鮮やかな黄緑色の水色が特徴で、苦味と渋みのバランスがよく万人受けしやすい緑茶と言えます。
深蒸し煎茶
煎茶をさらに長く蒸して作ったお茶を深蒸し煎茶と言います。
深蒸し煎茶は、煎茶に比べて水色が濃くやや深めの黄緑色をしているのが特徴です。長く蒸して揉むため、茶葉が細かくなりやすく、お茶を淹れた際にも茶葉が残りやすい傾向にあります。そのため、水に溶けにくい茶の有効成分も摂れることから、健康志向の人に人気です。
玉露
新芽を一定期間葦簀(よしず)で覆い、日光を遮って栽培した茶葉から作るお茶を玉露と言います。煎茶と同じ蒸した茶葉を揉んで乾燥させて加工しますが、日光を遮って育った茶葉からは甘く芳醇な香りが感じられます。緑茶のなかでも最高級のお茶として扱われ、独特の甘みを活かすために低温のお湯で淹れるのがよいとされています。
かぶせ茶
玉露と同じく茶樹を覆って日光を遮る生育方法を用いた茶葉で作る、かぶせ茶というお茶もあります。優しい甘さやこく深さが感じられ、普段あまり緑茶を飲まない人にも親しみやすいお茶と言えるでしょう。
玉露は20~30日間日光を遮るのに対し、かぶせ茶は1~2週間程で被膜を外して摘み取ります。被膜をかけて日光を遮る期間によって、玉露とかぶせ茶の種類に分類されます。
玉緑茶
煎茶は茶葉を蒸して揉み、乾燥させた後に茶葉の形を細長く整える精揉という工程を行います。対して、精揉の工程を行わずに乾燥させて丸まった状態のお茶を玉緑茶と言います。
地域によっては「ぐり茶」「蒸しぐり」などと呼ばれることもあり、煎茶に比べてまろやかな味わいになるのが特徴です。主に九州で生産され、代表的な産地として佐賀県が有名です。
釜炒り玉緑茶
茶葉を蒸さずに釜で炒ったものを精揉せずに仕上げたものを釜炒り緑茶といいます。釜炒り玉緑茶は、香りが非常によく茶葉の香りを十二分に楽しめる緑茶として好まれています。
味わいも渋みが少なくスッキリした味わいで飲みやすいお茶です。
釜伸び茶
釜伸び茶も釜炒り玉緑茶と同じく、釜で炒って作られるお茶です。釜伸び茶は、釜炒り玉緑茶と異なり、茶葉を細かく撚って形を整えています。
飲み口はスッキリとして苦味や渋みが少なく飲みやすい緑茶です。鮮やかな黄金色のお茶で、九州を中心に製造されています。
番茶
新芽を摘み取った後に伸びて来た茶葉を使って作ったお茶を番茶と呼びます。
茶葉のなかでは低級品として扱われることが多いですが、苦味が少なくさっぱりとしているため日常的に飲むお茶として好まれています。新芽なら煎茶、二番目や三番目に摘んだ茶葉なら番茶と覚えておきましょう。
てん茶・抹茶
てん茶とは、玉露と同じく長期間日光を遮って生育した新芽を蒸し、揉まずに乾燥させたお茶です。乾燥したてん茶を挽いて粉状にしたものが抹茶になります。
てん茶にはアミノ酸の一種であるテアニンが豊富に含まれているため、粉状のてん茶である抹茶にもこれらの栄養は含まれています。テアニンはリラックス効果が高いため、抹茶を飲むと心も体もリラックスできるでしょう。
ほうじ茶
煎茶や番茶をさらに強火で炒って焙じたものを「ほうじ茶」と呼びます、
煎茶や番茶よりも香ばしい味わいが楽しめ、苦味や渋みも少ないのが特徴です。また、他の緑茶に比べてカフェイン含有量が少ないため子どもでも楽しみやすいお茶と言えるでしょう。
茎茶
新芽の茎で作ったお茶を茎茶と言います。玉露や煎茶の加工の際に葉と選別されたもので、茎茶のなかでも玉露の茎を使ったものは「かりがね」と呼ばれ貴重な緑茶として扱われます。
葉を使った緑茶とは違った味わいが楽しめ、さわやかな香りや甘みを感じるのが特徴です。
芽茶
新芽のなかでも芽の先端の小さな茶葉から作ったものを芽茶と言います。
お茶本来の味わいが凝縮されており、濃く抽出されるのが特徴です。苦味や渋みも出やすいため、上級者向けのお茶と言えるでしょう。
玄米茶
番茶や煎茶と玄米を混ぜて炒って作ったお茶を玄米茶と言います。玄米茶には玄米の持つ栄養が豊富に含まれ、血糖値の上昇を抑える効果やアンチエイジング効果が期待できます。
香ばしい玄米の香りとお茶の香りが調和し、お米と古くから親しんでいる日本人にとっては非常に飲みやすいでしょう。他のお茶に比べるとカフェイン量も比較的少なめです。
烏龍茶の種類
茶葉を発酵させ、完全に発酵し切る前に炒って発酵を止めたお茶を烏龍茶と言います。半発酵させて変色した茶葉の色が鳥のような黒さをしており、茶葉の形が龍のように見えたことから烏龍茶と名付けられたという説があります・
中国茶に分類されるものの、実際は中国では福建省などの一部地域でしか主に飲まれていないのも特徴的です。
烏龍茶も緑茶同様に発酵の程度などにより、さまざまな種類に分類されます。
鉄観音
鉄観音は烏龍茶の代表的な種類のお茶で、茶葉を30~40%程度発酵させて作られています。発酵以外にも、独自の鉄観音製法と呼ばれる加工方法を用いており、茶葉を布で包んで揉みながら作るのが特徴です。
桃のような甘い香りを感じられ、透明感のある琥珀色の美しいお茶です。
黄金桂
黄金桂はその名のとおり、黄金色の水色が特徴的な烏龍茶です。金木犀に似た香りが楽しめる希少価値の高いお茶として人気があります。
他のお茶に比べてカフェインの含有量が多く、スッキリした味わいが特徴的です。苦味や渋みがほとんどなく、アイスでもホットでも美味しく飲める烏龍茶として日本の飲料メーカーがペットボトル商品として販売したこともあります。
水仙
水仙は烏龍茶のなかでも特に生産量が多く、番茶のように日常的に飲む烏龍茶として好まれるお茶です。水色は赤褐色でやや紅茶に似た色合いですが、甘みと花の香りを感じる芳醇な味わいを持っています。
水仙は中国のなかでも生産地によって加工方法が異なり、福建省龍岩市漳平市で作られている漳平水仙は昔ながらの四角く圧縮した形に成型されているのが特徴です。
色種
烏龍茶にはさまざまな種類があり、異なる烏龍茶をブレンドしたお茶を色種と呼びます。 水仙と同じく生産量の多い烏龍茶で、茶葉の見た目が鉄観音に似ています。
東方美人
東方美人は台湾原産の烏龍茶です。ウンカという昆虫に樹液を吸われた茶葉を使って作られており、甘い密のような香りを楽しめます。
なぜウンカに樹液を吸われることで甘い香りが出るのかは未だ解明されておらず、ミステリアスなお茶としても有名です。
紅茶の種類
茶葉を完全に発酵させたものが紅茶です。完全に発酵させたことで水色は美しい赤褐色になるものが多く、茶番の産地や摘み取る時期によってさまざまな香りや味わいを楽しめます。
ヨーロッパでは古くから紅茶の文化が根付いており、現在は日本をはじめ世界中で親しまれています。
ダージリン
インドのダージリン地方で栽培された茶葉を使って作られた紅茶がダージリンです。特有の爽やかな香りが魅力で、世界三大紅茶のひとつとして知られています。
紅茶のシャンパンとも言われ、マスカットのような香りを感じられるのが特徴です。なかでも夏に摘み取られる二番摘みのセカンドフラッシュは、ダージリンのなかでも最も味わいや香りのバランスがよく最高級品として取り扱われています。
ウバ
スリランカのウバ地方で栽培された茶葉を使った紅茶をウバと言います。ウバはダージリンと同じく世界三大紅茶のひとつで、コクと独特のスッキリした香りが特徴です。メントールを思わせる特有の香りはウバフレーバーと呼ばれ親しまれています。
キリッとした渋みのなかに、バラのような香りも感じられる紅茶の魅力が詰まったお茶です。
キームン
キームンは中国が原産の紅茶で、世界三大紅茶の一種です。ややスモーキーな香りが特徴で、コクを感じられる紅茶として人気があります。特に品質の良いキームンはスモーキーな香りの中に蘭やバラのような花の香りが感じられ、アジアの雰囲気を楽しめる紅茶として世界で高く評価されています。
アッサム
アッサムはインドのアッサム地方で摘み取られた茶葉で作られている紅茶です。栗やサツマイモのような穀物を思わせる甘い香りが特徴で、ミルクティーとの相性が非常に良い紅茶として知られています。
茶樹の茶葉以外のもので作られているお茶の種類
世界には、茶樹から摘んだ茶葉以外のもので作るお茶も数多くあります。 続いては、茶樹の茶葉以外のもので作られているお茶についてもみていきましょう。
むぎ茶
むぎ茶は大麦の種を焙煎したものから作ったお茶です。日本では特に親しみ深いお茶と言えるでしょう。
カフェインを含まないため、赤ちゃんや子供、妊婦さんなどでも気軽に飲むことができます。また、豊富なミネラルを含んでいるため、夏の水分補給に最適な飲み物です。
プーアル茶
一般的な茶樹は、お茶を生産するために低木で仕立てますが、野生で育つ茶樹は高木になるのが特徴です。プーアル茶は野生化した高木の茶樹から摘んだ茶葉で作ったお茶です。
特定の産地で作られたものだけがプーアル茶とされ、長期間熟成させたものはヴィンテージワインのように高額で取引されています。
コーン茶
コーン茶は乾燥・焙煎したトウモロコシから作ったお茶です。コーン特有の甘みや香りを感じられ、子供にも飲みやすい味わいが人気を集めています。
ミネラルや食物繊維を豊富に含んでいるため、美容効果も注目されています。
【珍しい飲み方がたくさん】世界のお茶の種類
緑茶や烏龍茶、紅茶などは世界中で飲まれ、地域によって独自の文化を築いてきました。なかには「そんな飲み方をするの?」と驚くようなお茶の飲み方をしている国もあります。
続いては、世界で飲まれている珍しいお茶の種類を紹介していきます。
チャイ
チャイはインドの伝統的なお茶です。
紅茶を煮出し、大量の砂糖とミルクで味付けをした甘いお茶で、インドのマサラチャイにはシナモンやジンジャー、ブラックペッパーなどのスパイスを加えるのが特徴です。
濃厚な甘さのなかにピリッと刺激的なスパイスを味わえるチャイは、好みが分かれるものの一度ハマると飲み続けたくなる美味しさなんだとか。
アタヤ
アタヤはセネガルで飲まれている伝統的なお茶です。緑茶にたっぷりの砂糖とミントを加えたお茶で、高い位置から何度もお茶を注ぐ独特な淹れ方をします。
セネガルではアタヤはスイーツに近い扱いで、食後などに時間をかけてアタヤを淹れながら会話を楽しむなど、コミュニケーションツールとしても親しまれています。
お茶の持つ代表的な効能
茶樹の茶葉から作られるお茶にはさまざまな種類がありますが、多くのお茶に共通した効果・効能があります。お茶の種類によって微妙な違いはありますが、以下のような効果効能が期待できると考えられています。
カテキンによる殺菌効果
お茶に多く含まれるカテキンはポリフェノールの一種です。お茶の渋み成分でもあり、カテキンを含む量によってさまざまな味わいが感じられます。
カテキンは強い抗菌作用を持つことが分かっており、食中毒を起こす雑菌などの繁殖を抑制したり、飲むことでウイルス感染などを予防したりする働きが注目されています。
カフェインによる覚醒効果
茶樹から作られたお茶にはカフェインが含まれています。カフェインには覚醒作用があるため、眠気を抑制したり意識がハッキリする効果も期待できます。疲労感を感じにくくする働きもあるため、疲れた時にはお茶を飲んで休憩するのがおすすめです。
特に、緑茶の玉露や煎茶、紅茶のアッサムやセイロン、などには比較的カフェインが多く含まれます。
テアニンによるリラックス効果
お茶に含まれるテアニンにはリラックス効果やストレスを軽減する効果が期待できます。お茶を飲むとホッとすると感じるのはテアニンの働きかもしれません。
テアニンは紫外線に当たるとカテキンに変化してしまうため、日光を遮って育てた玉露やかぶせ茶などに多く含まれます。
ポリフェノールによる抗酸化作用
カテキンやテアニンなどのポリフェノールには、体内の活性酸素を取り除く抗酸化作用が期待できます。
活性酸素が増え過ぎると皮膚や血管などの老化に繋がります。健康を保つためにも、毎日適量のお茶を飲むのが良いでしょう。
まとめ
今回はさまざまなお茶の種類を紹介してきました。
緑茶や烏龍茶、紅茶が全て同じ種類の茶葉から作られていることに驚いた人も多いのではないでしょうか。
加工方法ひとつでさまざまな味わいに変化するお茶に思いを馳せながら、優雅なティータイムを楽しんでみてください。