不思議な形の野菜「ロマネスコ」の秘密と、美味しい食べ方
不思議な形と鮮やかなライトグリーンが目を引く「ロマネスコ」をご存知でしょうか?
幾何学模様のような独特の見た目をもつロマネスコは、「世界一美しい野菜」とも言われています。一見ブロッコリーやカリフラワーにも似ていますが、どのように食卓に取り入れたら良いのか、迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ロマネスコの特徴とともに、美味しい食べ方を詳しくご紹介します。ブロッコリーやカリフラワーとの違いや、切り方・茹で方などの下処理の仕方、保存方法まで詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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ロマネスコってどんな野菜?
ロマネスコとは、アブラナ科アブラナ属の植物です。ブロッコリーやカリフラワーと同じ属性ですが、特徴は円錐型の木のような独特な形。その見た目を活かしてサラダや炒め物などにすると、料理に華やかさをプラスすることができますよ。 また、カリフラワーとブロッコリーの中間のような味わいと食感もロマネスコならではの魅力。コリコリとした食感とほのかな甘みが特徴です。
ロマネスコの歴史
ロマネスコは、ヨーロッパで16世紀ごろから栽培されてきた歴史があります。発祥の地はイタリアまたはドイツと言われており、「カリフラワーとブロッコリーの自然交配によって生まれた」と考えられていますが、「カリフラワーの原型」という説もあります。
ヨーロッパでは家庭料理で一般的に利用されている、身近な野菜であるロマネスコ。日本でも徐々にその魅力が広まっています。
特徴的な見た目「フラクタル構造」とは?
ロマネスコの最大の特徴は、「フラクタル構造」と呼ばれるユニークな形です。
フラクタル構造とは、「全体を見たときと一部分を見たときの形が同じ」という相似性を持つ構造のことを指します。ロマネスコの場合、全体がらせん状に配置されており、一つひとつの突起も同じらせんを描いています。
ブロッコリーやカリフラワーも同じく「フラクタル構造」を持つと言えますが、ロマネスコは円錐形でより細かい突起が特徴です。研究によれば、「遺伝子の突然変異で茎から芽が出るスピードが速まった結果」ロマネスコの形状が生まれたとされています。
こうしたフラクタル構造から、ロマネスコは「世界一美しい野菜」とも呼ばれています。
「カリッコリー」「カリブロ」は同じ野菜?
「カリッコリー」や「カリブロ」は、日本独自のロマネスコの呼び方です。ロマネスコの特徴であるブロッコリーとカリフラワーの中間のような色味や食感、味わいから名付けられたとされています。
ロマネスコはクセのない味わいで幅広い料理に使うことができ、見た目も華やかなことから、スーパーでも徐々に見かけることが増えてきています。
ロマネスコとカリフラワー、ブロッコリーの違い
ロマネスコはその特徴から、ブロッコリーやカリフラワーとよく比較される野菜ですが、大きく2つの違いがあります。
1つ目の違いは色合いです。ロマネスコはブロッコリーとカリフラワーの中間のような「明るい黄緑色」をしています。
2つ目の違いは味わいです。ロマネスコの食感はカリフラワーのようにコリコリしていますが、味はブロッコリーに近く、茹でると甘みが引き立ちます。
また、カリフラワーは淡色野菜に分類されますが、ロマネスコとブロッコリーは緑黄色野菜として分類されます。見た目や味わい、栄養価からも、ロマネスコは唯一無二の野菜と言えるでしょう。
ロマネスコの選び方と保存方法
新鮮なロマネスコは、明るい黄緑色の花蕾(からい)と呼ばれる食用部分がぎっしり詰まっています。ロマネスコを選ぶ際には、花蕾が詰まった重みのあるものを狙いましょう。葉のハリやカットされた断面の瑞々しさにも注目してみてくださいね。
特に旬の時期のロマネスコは栄養価も高く風味も豊か。正しい保存方法を知っておけば、長く美味しく食べられますよ。
ロマネスコの「旬」
ロマネスコの旬は、11月下旬から2月中旬にかけての寒い季節です。この時期のロマネスコは栄養価が特に高く、風味も豊かです。旬ならではの味わいを存分に楽しむことができます。
ロマネスコの主な国内産地は、北海道や茨城県、宮城県です。中でも注目を集めているのが、宮城県産のロマネスコ。宮城県はイタリア・ローマ県との友好姉妹協定を機にイタリア野菜の栽培に力を入れており、ロマネスコ栽培もその一環として取り組んでいるのだそう。※
旬のロマネスコを見かけた際には、ぜひその美味しさを味わってみてください。
鮮度をキープ!ロマネスコの保存方法
ロマネスコを最後まで美味しく楽しむには、適切な保存方法が重要です。ここでは、ロマネスコの冷蔵保存と冷凍保存の方法について詳しくご紹介します。用途や状況によって保存方法を使い分けてみてくださいね。
冷蔵保存
ロマネスコを丸ごと冷蔵保存する場合は、保存袋やポリ袋に入れて、野菜室で立てて保存するのがおすすめです。小房に分ける場合は、使いやすいサイズに茎のつけ根から切り分け、小房ごとにラップで包み、保存袋に入れて保管してください。
丸ごと保存なら4~5日持ちますが、小房に分けたものはできるだけ早く使い切りましょう。
冷凍保存
ロマネスコを冷凍保存する場合は、少し固めに茹でてから保存することをおすすめします。下茹でしたロマネスコの粗熱をとったら、冷凍用の保存袋に平らに並べ、空気を抜きながら密封して冷凍庫へ。金属製のバットに茹でたロマネスコをのせて急速冷凍させ、固まったら保存袋に移す方法でもOKです。
冷凍したロマネスコは2~3週間保存が可能です。凍ったまま料理に使えるので、スープや炒めものなどに手軽に加えることができますよ。小房に分けて冷凍しておくと、必要な時にすぐに使えて便利です。
ロマネスコの栄養価
ロマネスコはカリフラワーの一種とされており、栄養価も基本的にはカリフラワーとほぼ同じとされています。
ロマネスコの栄養価の特徴は、ビタミンC、カリウム、食物繊維の豊富さです。
中でもビタミンCは100gあたり81mg※も含まれています。レモン果汁のビタミンC量は100gあたり50mgですから、ロマネスコのビタミンC含有量の多さがわかりますよね。
ビタミンCには免疫力を高め、美肌効果が期待できます。
さらにロマネスコに含まれるカリウムには、余分な塩分を排出する効果があり、食物繊維は腸内環境を整える効果があります。低カロリーで満腹感を得られるため、ダイエット中の方にもおすすめの食材です。
ロマネスコの食べ方のキホン。下処理の手順を確認しよう
ロマネスコは、その独特な見た目から「どう調理したら良いのだろう?」と食べ方に迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ロマネスコの基本的な下処理の方法をご紹介します。切り方と茹で方のポイントを押さえることで、ロマネスコの美味しさを引き出すことができますよ。
ロマネスコの切り方
ロマネスコを切り分ける際のポイントは、美しい「フラクタル構造」を崩さないことです。捨ててしまいがちな硬い芯の部分にも、実は栄養が詰まっていますので、カットして無駄なく使いましょう。
ロマネスコの切り方
- ロマネスコの根元と葉っぱを切り落とし、芯を円錐状にくり抜く。 \ポイント/ロマネスコを回しながら、包丁の根元部分を使うと切り離しやすいです。
- 根元のほうから包丁で房を一口大に切り離す。 \ポイント/小房と同じ大きさに揃えることで、均一に火が通ります。
- 頭頂部の大きな房は、芯を切り離して縦半分にカットする。
- 硬い芯の部分は外側のゴツゴツした部分を切り落とし、小房と同じ大きさにカットする。
- 水を張ったボウルの中で軽く水洗いする。
新鮮な状態のロマネスコなら、生のままサラダの材料としても楽しめるので、切りながら試食してみるのもおすすめです。
ロマネスコの茹で方
ロマネスコの栄養を逃がさず美味しく食べるには、「蒸し茹で」がおすすめ。
茹でる際に水を極力使わないことで、ロマネスコに含まれるビタミンCやカリウムといった水溶性の栄養素を守ることができるんです。緑も濃くなり、甘みもアップしますよ。
ここではフライパンを使った簡単な茹で方をお伝えします。
ロマネスコの茹で方
- 小房に切り分けたロマネスコをフライパンに並べて、塩を少々ふり、水大さじ3を加えて強火にかける。
- 蓋をして2分ほど「蒸し茹で」にする。
- 茹で上がったロマネスコをザルに取り出し、冷まして粗熱をとる。
電子レンジでもOK!
耐熱皿にロマネスコを並べて塩をふり、ラップをして600Wで60秒加熱
ロマネスコの食べ方ガイド。美味しく食べるには?
ロマネスコは、美しい形と鮮やかな色味で、いつもの料理を華やかにしてくれます。サラダやスープ、パスタまで、さまざまな調理法で楽しむことができますよ。
ここからはロマネスコの基本的な食べ方をご紹介。ご家庭でも簡単に試せるレシピをお伝えします。特別な日の料理にも、いつもの食卓にも、ぜひ取り入れてみてくださいね。
食べ方①見た目を活かして!ロマネスコのサラダ
ロマネスコを使ったサラダは、手軽で美味しい食べ方のひとつです。
トマトやにんじんといった彩り豊かな野菜と合わせると、ロマネスコの鮮やかなライトグリーンが映えて見た目にも楽しい一品に。
特にクリスマスシーズンには、ポテトサラダを山高に盛り付け、周りにロマネスコを飾った「ロマネスコツリーサラダ」がおすすめ!
茹でたにんじんを星形に型抜きしてデコレーションすると、お子様にも喜ばれること間違いなし。おもてなし料理にもぴったりですよ。
食べ方②甘さが引き立つ。ロマネスコの炒めもの
ロマネスコの甘さを引き出すには、こんがりと焼き色をつけた炒めものにするのがおすすめです。クセのない味わいのロマネスコは、アンチョビやベーコン、ニンニクなど香りや旨味の強い食材がよく合います。
食べ方のポイントは、あらかじめ加熱して下処理を済ませたロマネスコを、焼き色がつくまで炒めること。表面の香ばしさと中のほっくりとした甘さの両方を楽しめる一品です。
食べ方③寒い時期にぴったり。ロマネスコのグラタン
寒い季節におすすめの食べ方は、ロマネスコを使ったグラタンです。日本でいう「グラタン」はイタリアでは「グラティナータ」と呼ばれ、広く親しまれている家庭料理なんですよ。
作り方は牛乳、バター、小麦粉で作ったホワイトソースに茹でたロマネスコを和えて、チーズをのせてオーブンで焼くだけ。シンプルな材料で作るグラタンは、ロマネスコの旨みを引き出します。
簡単ながらリッチな見た目と味わいが楽しめるので、家族みんなが喜ぶこと間違いなしのメニューです。
食べ方④旨みを凝縮!ロマネスコのフリッター
ロマネスコは衣をつけて揚げた「フリッター」にすると、旨みが凝縮されて美味しさがアップします。サッと揚げてコリコリとした食感を楽しむもよし、じっくり揚げてホクホクとした食感に仕上げるもよし。
カリカリの衣とロマネスコの食感が堪らない一品。加熱することで引き立つロマネスコの甘みと旨みを楽しめます。
衣にカレー粉を加えた「味変」もGOODです!
まとめ
ロマネスコは美しい見た目とクセのない味わいで、さまざまな食べ方を楽しむことができる野菜です。ご紹介した切り方や茹で方のポイントを押えておくことで、ロマネスコをより美味しく、栄養を損なわずに調理することができますよ。
蒸し茹でにしてそのまま食べても、炒めても揚げても美味しいロマネスコ。ブロッコリーやカリフラワーとの違いを比べてみるのもおすすめです。ぜひ多彩な食べ方を楽しんでみてくださいね。