minori pizza(みのりピザ)
ハイレベルな特産品を惜しみなくトッピングし、そのおいしさを丸ごと味わえるピザを十勝清水町からお届けします。
ハイレベルな特産品を惜しみなくトッピングし、そのおいしさを丸ごと味わえるピザを十勝清水町からお届けします。
北海道十勝平野の西部に位置する十勝清水町。雄大な日高山脈の麓に広がるこの町で、地元生産者が手掛ける豊かな食材を贅沢にのせたピザが評判を呼んでいます。店の名は「minori pizza(みのりピザ)」。夫婦でキッチンカーからスタートし、今や地域の農家と消費者を繋ぐ大切な架け橋となりつつあります。
「みのり」という店名は、漢字の「農(みのり)」という読み方に由来。農業や地元の食材との繋がりを何よりも大切にしたいという、オーナーの大久保翔太さんの思いが込められています。
もともとこの十勝がご出身の翔太さん。十勝の食材を積極的に扱う全国的な飲食チェーン店を営む企業に勤めるうち、改めてその魅力と底力を再認識したそう。在職中には生産地研修としてブランド鶏「新得地鶏」の仕事にも携わり、より生産者に近い立場を経験したことで「自分自身の手で十勝の食材のよさを広めていきたい」という思いが決定的なものに。十勝へのUターン移住を決意しました。
転機になったのが2020年。コロナ禍の際に支給された夫婦合わせて30万円の給付金を元手に軽トラックを改装し、平日は会社員として仕事を続けながら、自作のキッチンカーで週末営業をスタート。2023年にはテイクアウト専門の実店舗をオープン、翌年には冷凍ピザの販売も開始し着々と歩みを進めていきます。
出発点は「十勝の食材をどうやって一番魅力的に表現できるか」ということ。
そのため地域の多様な食をもっともわかりやすく、おいしく表現できることを第一に考え、着目した料理が「ピザ」でした。加えて、この地域はあらゆるチェーン店のデリバリー圏外のためファーストフードがなく、世代を問わず愛されている料理であることも理由の一つとなりました(だからイタリアンな「ピッツア」ではなくあくまで「ピザ」なのです)。
そこからは独学で生地作りや窯での焼き方を猛勉強したのだそう。
生地に使用する小麦は100%十勝産。「はるきらり」をはじめとする複数の品種を独自ブレンドしています。地域柄、車を利用する人が多くテイクアウトや冷凍ピザの需要も大きいため、課題となったのが生地の食感でした。
天然酵母で発酵させ、目指したのは「時間が経っても、解凍して自分で焼き直しても、モチモチ感が失われない生地」。デリケートな生地の保水性を高めるために、ミネラルを多く含む十勝産海塩を使用するなど、水分の配合や塩分濃度も細かく研究し、試行錯誤を何度も重ねました。
できあがった生地は450度の高温で1分〜1分半、一気に焼き上げることで外は香ばしくサクッと、中はモッチモチのナポリ風スタイルに仕上げて耳までおいしい焼き上がりに。
「十勝って本当に素晴らしい食材がたくさんあるんです。でもブランドであるからこそ、その多くが出荷されてしまって、地元の方々が日常的に口にする機会が案外少ないんですよね。ユリ根や羊肉、鹿肉なんかもそうです。そうした素晴らしい食材を地元のみなさんにこそ、もっと身近に感じてもらいたいんです。それに僕たちは調理師などの専門職ではないからこそ、自由な発想でメニュー開発できるのが強みかなと思っています。食材の組み合わせや味わいのイメージなど、固定観念にとらわれず、本当においしいオリジナルな味わいを提供したい」。
JA十勝清水と共同開発した「十勝若牛たっぷり!贅沢プルコギ」は十勝清水産のニンニクと甘辛だれが牛肉とベストマッチ。まず味わってほしい翔太さんおすすめの逸品です。ほかにも十勝川温泉に湧き出る希少なモール温泉で磨いたラクレットなど、チーズをふんだんに使ったメニューも人気です。
当初は前職や生産現場でお付き合いがあった数件の農家さんとともに始めたピザ作りでしたが、「minori pizza(みのりピザ)」のコンセプトに共感する農家さんが「こんな面白い野菜があるから今度使ってみない?」と別のまた農家さんを紹介してくれるのだそう。そんな形でどんどんご縁が繋がっていき、今もなお広がり続けています。
2025年にはクラウドファンディングにも挑戦。ドッグランやキッズスペースを併設するコンテナのイートイン空間を整備しました。ただ当初はクラウドファンディングに対して強い抵抗感があったといいます。
「自分たちが一歩一歩堅実に歩んできた自負もありましたし、ここで人様の手を借りるのか……という考えがずっとありました。ですがテイクアウト専門店として営業するうちに、遠方からわざわざお越しくださったお客様が駐車場の車の中でピザを召し上がっている姿を何度も目にして心苦しく思っていました。また、それと時を同じくして僕たち夫婦に子どもが生まれたことも大きかったです。小さな子連れが感じる外食へのハードルの高さを自分たちが身を持って知ったことで、同じような悩みを持つファミリーにも気兼ねなく食事を楽しんでもらいたいと思うようになりました」と翔太さん。
単なる店舗拡大というよりも、そうした二人の考えに共感してくれる方々と一緒に空間を作り上げるという意味で、クラウドファンディングは大きな意味を持つことになりました。結果として多くの方からの賛同を受け、現在のイートインスペースが完成しました。協力してくれた会社や個人の名前はコンテナハウスにも刻まれています。
「地元の農家のおじいちゃん、おばあちゃんが『今度、孫が遊びに来るから』といって、ストック用の冷凍ピザを買っていってくださるんです」と笑顔を見せる翔太さん。地域に根付いた店だと実感できるうれしい瞬間だと話します。
「多くのピザ店で定番のマルゲリータですが、うちでは夏から10月頃までの期間限定メニュー。自家菜園で加熱用のトマトやミニトマト、バジルを育て、それらが収穫できる時期にだけ仕込みを行うためです。この時期に合わせて、地元の酪農家さんから搾りたての牛乳を直接仕入れてモッツァレラチーズも手作りしています。旬の素材がすべて揃う時期にだけ提供する”本気のマルゲリータ“をぜひお店でも味わってみてほしいです」。