IPAってどんなクラフトビール?味の特徴やおすすめの飲み方
一日の疲れを癒し、満足感を与えてくれる大人の飲み物ビール。人によっては好きなメーカーが決まっており、大手メーカーのビールばかりを飲んでいるという人も少なくないでしょう。しかし、それは非常にもったいないことです。
ビールの世界は奥深く、小規模ブルワリーがこだわりを詰め込んで作るクラフトビールなどは世界中に100種類以上も存在するといわれています。
今回は、そんなクラフトビールのジャンルのひとつ、IPAビールについて紹介します。IPAビールの歴史や種類、特徴なども解説しています。
この記事を最後まで読めば、あなたはきっとIPAビールを飲んでみたくなるはずです。普段からビールを飲んでいる人やこれまで大手ビールメーカーのビールしか飲んだことがないという人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
IPAビールとは
IPA(アイ・ピー・エー)ビールとは、「Indian Pale Ale(インディアンペールエール)ビール」の略称です。ビアスタイルの一種で、ビールの中でも特にホップの使用量が多いことやアルコール度数が比較的高めなことが特徴として知られています。
イギリス発祥のビール
ペールエールビールとは、イギリス発祥のクラフトビールでホップやモルトの風味を味わいやすい特徴を持っています。イングリッシュペールエールやアメリカンペールエールなど、さまざまな種類があり、IPAもそのひとつです。
名前に「Indian(インディアン)」と入っているため、インド発祥のビールだと勘違いされがちですが、正真正銘イギリスで生まれたクラフトビールです。
18世紀頃、インドがイギリスの植民地であった時代に、インドに滞在するイギリス人に届けるために作られたのがIPAビールです。
イギリスからインドまでは長い航海が必要となります。通常のクラフトビールでは道中で傷んでしまったり風味や味わいを損なったりしてしまいました。そこで、防腐作用を持つホップを大量に使って作られたのがIPAビールです。
インドに運ぶためにイギリスで作られたビールなので、発祥はイギリスということになります。
世界で最も愛されるビアスタイル
昨今、世界中にはさまざまなビールがありますが100種類以上あるといわれるクラフトビールのなかでもIPAビールの人気は群を抜いています。「世界で一番飲まれているビール」と呼ばれることもあり、IPAビールをさらに細かく派生させたクラフトビールもあります。
IPAビールが登場した当時、イギリス産の香りが穏やかなホップが使用されていたことから、現在ほどキレのある味わいではなかったと言われており、1970年代にアメリカ産のホップを使ってIPAビールが作られるようになってから、爆発的に人気を集めました。
この時に使われたのがCascade(カスケード)と呼ばれるホップ種です。華やかでグレープフルーツのような爽やかな香りをもつカスケードを使ったIPAビールは、キレとコク、パンチの効いた苦み、そして唯一無二とも言われる味わいを生み出し、世界のビールファンを虜にしました。
IPAビールの特徴
IPAビールは、他のクラフトビールと比べて以下のような特徴があります。
強いホップの香りが感じられる
IPAビールの特徴であるホップの多さから、他のクラフトビールに比べて強いホップの味わいが感じられます。ビールに香りを付けるホップですが、品種によってさまざまな香りを持つのが特徴です。
現在は200種以上のホップ種があると言われており、使用するホップによってさまざまな香りや味わいを楽しめるのもIPAビールの魅力といえるでしょう。
強い切れ味と辛口の味わいを楽しめる
IPAビールは、国内で流通している大手ビールメーカーのビールに比べて多量のホップを使用しています。そのため、パンチの効いた辛口の苦みが感じられ、初めてクラフトビールを飲む人は驚くかもしれません。
しかし、その苦みの後に感じられる爽やかな香りやキレの良さが好まれ、IPAビールファンになる人も少なくありません。
IPAビールの種類
IPAビールには、さまざまな種類があります。よりIPAビールを楽しむために、ブルワリーのこだわりから生まれたIPAビールの派生種は数えきれないほどあります。
ここでは、特に有名なIPAビールの種類を紹介していきます。
ダブルIPA(インペリアルIPA、エクストラIPA)
既存のIPAビールに比べてホップの使用量が2倍になっているビアスタイルをダブルIPAと呼びます。インペリアルIPA、エクストラIPAと呼ばれることもあり、ホップが増えることでより強い苦みやキレを感じることができます。
一般的なビールに比べてアルコール度数がやや高めになり、7~8%台のものが多いです。
トリプルIPA
ダブルIPAよりさらにホップの量を増やし、通常の約3倍量を使用して作るのがトリプルIPAです。アルコール度が非常に高く、いわゆるストロング系に分類されます。なかには、アルコール度数が10%を超えるものもあります。
セッションIPA
セッションIPAは、アルコール度数を下げて5%以下にしたものです。アルコール度数が低いため、飲み疲れることなく、長く楽しむことができます。飲み口が軽いため、女性からも人気が高いIPAビールです。
ブリュットIPA
ブリュットとは、スパークリングワインの甘辛度を表す言葉で、主に辛口を表しています。ブリュットIPAは糖分を分解して、辛口にしたIPAビールのビアスタイルです。その名のとおり、スパークリングワインの辛口に似たテイストをしていることから、名前が付けられました。
ヘイジーIPA
ヘイジーIPAは、濁りのある黄色~オレンジ色の水色が特徴的なIPAビールです。ニューイングランド地方で生まれたIPAビールであることから、「ニューイングランドIPA」と呼ばれることもあります。
トロピカルでジューシーなテイストを味わえ、根強い人気を誇るビアスタイルです。
ベルジャンIPA
ベルジャンIPAは、ベルギー発祥のビアスタイルです。コリアンダーなどを用いたスパイシーな後味が特徴で、爽やかで飲みやすいことからIPAビールを初めて飲む人にもおすすめです。
ウェストコーストスタイルIPA
ウェストコーストスタイルIPAは、アメリカ西海岸発祥のビアスタイルです。キレ味が抜群でパンチの効いた味わいは、ビール好きから熱狂的な支持を受けています。強い苦みのなかにも、トロピカルフルーツのような濃厚な甘い香りを感じられ、一度ハマるとやめられなくなってしまう味わいです。
IPAには専用グラスがある
普段何気なくビールを飲んでいるグラス。実は、ビールグラスにはさまざまな種類があることをご存じでしょうか。たかがグラス、されどグラスといわれるように、ビールは使うグラスによって香りや泡立ちが大きく変わります。
日本人に馴染み深いBeer Mug、いわゆるジョッキグラスはのど越しがよく苦みの少ないビールに適しています。大衆に好まれる居酒屋などで、国産大手メーカーのビールがジョッキで提供されているのは、こういった特徴を持っているからです。
一方で、クラフトビールなどを楽しめるお店では、パイントグラスを使ってビールを提供していることが多いです。縦型のパイントグラスは、どんなクラフトビールにも合いやすく「初めてのクラフトビールを美味しく楽しみたい」という人におすすめです。
IPAは主にタンブラーやゴブレット型のグラスで提供されることが多いですが、本当にその苦みを楽しみたいのであればIPAグラスを選びましょう。IPAグラスは、飲み口がややすぼまっていることで、飲んだ際に鼻にスッと香りが入ります。味わいと香りをバランス良く楽しめ、IPAビールの魅力を存分に堪能できるでしょう。
IPAビールをしっかりと楽しみたいのであれば、IPAビールグラスを使ってみるのがおすすめです。
IPAビールにはどんな料理が合う?
もちろん単体でも楽しめるIPAビールですが、料理のお供にすることでさらに深い味わいを楽しむこともできます。IPAビールは、以下のような料理と一緒に飲むと、その魅力を十分に楽しむことができるでしょう。
味の濃い肉料理
苦みの強いIPAビールは濃い味付けの肉料理と相性抜群です。特に、日本特有の甘辛い味付けはIPAビールとよく合い、お互いの美味しさを引き立てあってくれるでしょう。
すき焼きや角煮、ジンギスカンなどは、特にIPAビールの旨味が引き立てられます。ラム肉とコク深いタレで食べるジンギスカンには、フルーティーな香りを楽しめるヘイジーIPAなどが特におすすめです。
苦みのある料理
大量のホップでパンチの効いた苦みを持つIPAビールは、苦みを楽しめる料理ともよく合います。ゴーヤを使った料理などは、特に相性が良く、ゴーヤとホップの異なる苦みが調和して料理もビールもよくすすみます。また、さんまの塩焼きなど、はらわたを一緒に食べた際の大人な苦みもIPAビールのお供におすすめです。
まとめ
今回はIPAビールについて紹介してきました。クラフトビールのなかでも特に辛口や苦みの強いビールを好む方に絶大な支持を得ているIPAビール。IPAビールのなかにはさらにさまざまな種類があるため、きっとあなたの好みの味が見つかるはずです。
奥深いIPAビールの世界を、ぜひ堪能してみてください。

